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スキーバス事故に思う——安全を支える“名もなき現場”の声

2016年に入ってまだ1月というのに、非常に残念なニュースです。

事故の原因はこれから明らかになっていくのでしょうが、今後、監督官庁などからルールや制度の厳格化が進むことは間違いないと思われます。

ただ、制度が厳しくなればなるほど、コストは増します。そうなると、体力のない中小業者は排除される構造になっていく。果たして、それで本当に安全が確保されるのでしょうか。

メディアからインフラまで、あらゆる産業が多重構造になっている現代。現場で実際に業務に携わっている人たちが一番大変なのに、報われないという現実があります。

安全対策の運行計画が正しく組まれていて、ルート変更もきちんと報告されていたとしても、事故というのは突発的に起こるもの。完全に防ぐことは難しいのです。

本来、労務管理や安全対策は現場のためにあるべきもの。しかし実際には、現場の実情とはかけ離れた制度やルールが上から降ってくるだけ、ということも少なくありません。

事故や災害が起きた際には、監督官庁や自治体の管理体制が問われます。責任追及の矛先が向かないように、ルールや制度を整備しておく必要がある——そんな“保身”の論理が透けて見えることもあります。

現場を知らない文系出身の担当者が、制度と書類だけで管理しようとする体制。結果として、形骸化した対策にコストが吸い取られ、現場の労働環境はますます厳しくなるばかりです。

事故や災害が起きるたびに調査と報告がなされますが、原発事故にせよ、インフラや交通の事故にせよ、多重構造の問題は根深いものがあります。

この構造がもっとフラットにならない限り、現場の待遇は改善されません。

見直すべきは、日本の安全を本当に支えているのは、制度や法律、役人や大企業ではなく、無名で無力な労働者たちであるという現実です。

では、また。