「高校野球動画の投稿禁止、プレー批判や中傷SNS相次ぐ…『選手を守る措置』」(読売新聞)
この問題については、いつも主催者側の視点ばかりがアナウンスされます。しかし、主役である選手や、それを支えるご家族、指導者、学校関係者の声はなかなか届いてきません。彼らの本音は、果たしてどこにあるのでしょうか。
もちろん「選手ファースト」であるべきなのは言うまでもありません。ただ、スマートフォンで誰もが手軽に動画を撮影・投稿できる時代において、投稿を全面的に禁止するのは現実的ではありません。結局のところ、内容は投稿者のモラルに委ねるしかないのが実情です。
仮にルールを設けたとしても、夏の甲子園大会では何も変わらず、X(旧Twitter)やTikTok、Instagram、YouTubeにはこれまで通り動画や画像が投稿されるでしょう。
確かに、投稿内容によっては誹謗中傷に該当するものもあります。しかし、それ以上に多いのは、リアルな試合経過やナイスプレーの数々。そうした画像や動画は、高校野球の大会を盛り上げ、選手やご家族にとっても励みになるものです。
昨今の風潮は「法令遵守」や「コンプライアンス」が大義名分となり、グレーゾーンの判断が難しい事案については、リスク回避のために「禁止」が選ばれる傾向にあります。結果として、現場の実情よりも管理・監督者の保身が優先され、「やらないことが最も安全」という空気が支配的になってしまいました。
テレビ番組が面白くなくなったのも、同じ構造の延長線上にあるのかもしれません。
おそらく、今後も高野連など主催者側がSNSへの動画・画像投稿を禁止したとしても、実際には投稿は無くならないでしょう。甲子園大会が始まれば、ネット上にはこれまで通り情報があふれかえるはずです。
それでも主催者側が「投稿禁止」を貫くのであれば、強硬措置を取るしかありません。たとえば、投稿者のアカウント凍結、球場での撮影・投稿を発見した際の強制退場や今後の出入り禁止など。アーティストのライブ会場での対策と同様の対応が求められることになります。
しかし、スポーツの試合会場での撮影・投稿がここまで問題視されるのは、高校野球くらいではないでしょうか。他のアマチュアスポーツでは、むしろ大会を盛り上げるためにSNS投稿を推奨しているケースもあります。
それだけ高校野球が注目を集め、長年にわたり人気と支持を得てきた証でもあります。これほどのコンテンツには、利権や損益といったお金の問題も絡み、称賛も誹謗中傷も、さまざまな感情が交錯します。この問題に明確な決着はつかないかもしれません。だからこそ、「落としどころ」をどう見つけるかが問われています。
6月1日に行われた秋田県商業高校大会(四商大会)の能代松陽と秋田商業の一戦。全国的にはほとんど注目されない大会であっても、心に響くシーンは随所にあります。広義には、こうした投稿もNGとされるのでしょうか。選手やご家族の方々に、ぜひ率直な思いを伺ってみたいものです。
8回表 能代松陽 頭部死球後 臨時代走。いやな雰囲気を一掃するツーランホームラン!しびれました! pic.twitter.com/HtdtdnDyfk
— にんたまんドットコム (@h36nintamam5) June 1, 2024
