さて、おっさんももうすぐ60歳定年。
昭和の頃の定年の日、職場では花束が渡され簡単な挨拶があり、見送られて退社。家ではささやかな祝のお膳。それは事実上の引退であり、その後の暮らしは年金と子供の支えで余生を送り、10年以内には没して土に還る。
ところが平均寿命が80代後半となり、一方で生産人口が歪となり満足な年金支給時期と額が維持できなくなったことから、ずっと労働しなければならなくなるこの現実。
こんなことから定年再雇用・定年延期・廃止の流れになっている2021年の今です。
思えば、昭和の高度成長期・平成の30年を経て令和に至るまで、労働者の環境も変わりました。
本来であれば地元の高校を卒業し、地元の会社に勤めるか、農家や自営を継ぐか地元で職人・漁師もよしで、この職業選択肢の中から暮らしが営めるようにするのが政治の姿でした。
地元の工場で定時に出勤・定時に帰宅 それで家族4人がささやかな暮らしを営めれば、今日のように少子高齢化に悩むこともなかったはず。こんな世の中をつくれなかった政治の責任は大きいと思っています。
これから先 の日本は、よほどのことがない限りは下り坂の一途。1990年をピークとした失われた30年は、生産消費人口がプラスに転じない限りは永遠に続くと思った方がよさそう。
今は民間だけで済んでいることも、その後の財政難から公務員にまで人員の見直しは波及するんだろうなぁ。
大部分のフツーの市民は、経済産業界では無能に属する部類から、さらに切り捨てられての非正規雇用。有能な一部の優れた1%だけが支配する構図。
これが長く続くようであれば、革命・テロ・戦争になり、民主主義も資本主義も社会主義も共産主義も崩壊。こんな世界に誰がした?
さてとおっさんも蓄えが潤沢にあるわけでもなく、ずっとこれからも労働の日々。選択肢は2つ。1つは現在の職場で嘱託社員としての継続雇用。もう1つは転職。転職っていっても60歳のハローワークはなかなかキビシイ。結局は、定年再雇用を選択せざるを得ないこととなります。
時代の趨勢から現制度は同一労働・同一賃金の折、収入面や福利厚生は変わらず、ただ雇用期間が1年毎の嘱託の非正規雇用。この先も年金制度の兼ね合いから、支給年齢が上がるとスライドして会社の雇用義務年齢も上がる。いづれは70歳となり、定年制度もなくなりそうな近未来。
定年再雇用嘱託の立場は、昇給や昇格もないので惰性の日々になりそうな?ただそれほど甘くはないと予想。おっさんと同じ同世代はいったいみんなどうしているのだろうか?
これから60歳迎える人たちは、先ずは自らの置かれている制度・環境を調べてみること。ネットで調べると一目瞭然ですが、65歳までの雇用は企業の義務となります。
次に会社の就業規則の確認。定年の項目がどのような記載がされているか?
特に定年再雇用のご案内もされないなら、ご自身で担当部署に確認。大企業であれば手続きや待遇はフローチャートなるものもあるのでしょうが、中小企業から下は自ら動かないと、就業規則の巧みな罠もあるので要注意❕
次に収入面や福利厚生などの待遇面と職種や部署の確認。役職が外れて大幅減収となる方は、その分責任からの開放もあります。一方で収入に大差がない場合は、現在の業務の継続。この場合も、弱くなる体力と視力なのに、むしろ時代にアップデートしなければならないのがなんとも辛い。
ほんの一握りの優秀な社員は、既に役員登用されているのでしょうが、一般社員はできれば会社側は追い出してしまいたいはずなので、むしろ正社員よりも結果が求められる立場となる1年毎の契約と更新。
この諸先輩の姿を冷ややかに見ている若手や中堅社員。この先もっと会社員の立場は厳しくなるから。45歳定年制?いくらなんでもこれはないだろうが、行き詰まってくるといつかは悪夢が現実に…。
人が人でいられる時間は限りあるもの。先ずは健康で、慎ましやかな暮らしができるお金があって、あとは人それぞれ。時間だけが唯一の平等ですが寿命は不平等。この先どう過ごすか? では またです。