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夏の甲子園16強公立ゼロから来夏の下克上へ

公立ゼロの2023夏の甲子園16強

2023夏の甲子園は本日 台風の影響で中止。順調であれば、日程は3回戦。ここ10年間夏の甲子園ベスト16進出の公立校は1校~3校で推移しておりましたが、2023年はとうとう大会史上初のゼロに。さらに近年の甲子園のファイナル進出校は佐賀北と金足農のみ。事実上、最近の甲子園大会は私学強豪校の為にある選手権大会。

【甲子園】北海が2試合連続のサヨナラ勝ちで7年ぶり3回戦進出 夏の16強出揃う - 高校野球夏の甲子園 : 日刊スポーツ

事実は事実としてあるものの、公立校の逆襲がほしいと思うのは地方在住のおっさんだけなのだろうか?大部分の人々で高校野球ファン以外では、甲子園大会の興味は周囲ではほとんどナシ。また、甲子園に集まる高校野球ファンは、無名公立チームの第一試合にも朝から沢山観戦にいらっしゃいます。甲子園の観衆は公立・私立関係なく野球を楽しんでる状況を見ると、現場は私立でも公立でもどっちでもかまわないんです。

楽しみな10月からの下剋上球児

そんな折、10月からの日曜劇場 下剋上球児 - Wikipedia

モデルは下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル!全国で甲子園を目指す公立校や弱小校にはピッタリの番組。これはなかなか興味深い!

日曜劇場『下剋上球児』|TBSテレビ

www.nikkansports.com

夏の甲子園で躍動する私立強豪

さて、私学がこれほどスポーツ・特に注目度が高い野球に注力するのは、少子化の影響から経営上から知名度のアップは必須。全国に訴求できるアナウンスは進学とスポーツ。特にテレビ中継があり大衆の注目度が高い甲子園の影響力は絶大なのは周知のこと。

さらに学校・教職員を中心に一枚岩で部活動をバックアップ!甲子園出場からの知名度アップは即翌年の志願者数に反映します。その背景から、野球の練習環境から入寮設備まで恵まれた中での学生生活が送れます。今大会出場校の私学の中でその頂点が慶應高校!格差社会の勝ち組の象徴的な存在でもあり、日本のエリートの頂点と言っても過言ではありません。

「高校野球は“やらされ感”が強い」慶応高監督が危惧する、野球離れの深刻化「魅力的に見えづらい」「だからこそ慶応は“野球を楽しむ”」 - 高校野球 - Number Web - ナンバー

ただ、県外からの越境入学には先ずは選手の家庭の経済力。学費・寮費と自宅通勤の学生とは雲泥の差。学費と寮費等が免除となる選手は過去のいきさつから、対象となる選手にも限りがあります。

高校野球の公立校の可能性

一方で公立校は経営上のリスクが無いだけに、よほどの熱い指導者の存在が必要。ただ、熱い指導者の存在があったにしても、周囲の教職員や学校側に、理解やこだわりが無いだけに、バックアップが少ないのが実情。ましてや働き方改革。教職員の労働条件の改善のためにさらに練習時間の制限もあり。

そこで、地域でバックアップできることの1つが、高校部活の前段階となる中学部活のクラブチームへの移管。地域の中高年の過去の競技経験者の活用にもなります。

部活動の地域移行とは? 進む背景や、メリットとデメリットを紹介│寺子屋朝日 for Teachers

地域事情から残念なことの1つには、有望な才能があったにせよ、能力を見出だせず埋もれてしまう選手達の存在。顧問は部活責任教師として押し付けられただけでは、競技指導にもならず選手教師共に不幸。強豪私学へ行けるだけの才能があったにせよ、寮費や私学の学費さらに遠征費や用具費を捻出できない家庭も多数あります。才能は適切な指導の元でこそ花開く。

大昔と相違する飛躍的な競技レベルの進歩。ほったらかしで、運動能力だけで勝てるほど最近のアマチュアスポーツは甘くはありません。一定の能力に適切な指導と熱意が必要なのはどの競技も同じ。

来夏からは公立校の甲子園の下克上となる変革期。ルールの改変は、弱者公立校にとっても勝ち上がるチャンス。タイブレークの採用は、最短1イニングで勝負がつき、低反発バットはパワー野球の飛距離や打球の速さを減速させます。芯に当たらない長打は減少し、本塁打もフェンス前での外野フライに。求められるのは、野手の間を抜く低い打球への移行。本番での採用は春のセンバツから。

この2つは健康上のリスク回避もありますが、おっさんには、高野連の公立校救済の面も垣間見えます。

残された課題は球数制限による複数投手の育生。最低2人、できれば3人のゲームをつくれる投手を! 実はこれがなかなか選手が限定される地域では難しい。ならば限られた戦力で限られた時間は、守備・走塁・犠打の基本プレーの反復と機動力で1点を積み重ねる戦術を。環境が整った私学が得意とする筋トレは時間的にも難しい、パワー野球とは違う戦い方が公立校には必要。

夏の甲子園は明日から3回戦ベスト16の組み合わせ。来夏は1つでも多くの公立校の進出を! 特に公立校が主体の秋田県は9月の秋の県大会が新チームの公式戦のスタート。来年夏を見据えて頑張れ! ではまたです。