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2024夏へ秋田の高校野球は低反発バット導入に活路を見出だせるか

圧倒する強豪私学のパワー野球

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甲子園で強力打線で圧倒する強豪私学の野球は、フツーの高校の部活の域をはるかに凌駕しています。一方で公立校の部活は、背景にある教員の待遇改善の為、選手の健康管理も含めて、休日や練習時間の制限もこの先さらなるルール化の流れ。公立主体の秋田県で、高みを目指す逸材は今後も県外私学へ流出となる現実。まぁそれでも地元校を選択してくれる選手がいる限り、おっさんは応援いたしますが。

甲子園の強豪私学は全寮制で、朝練やって放課後に全体練習でさらに自主練。制限ある公立校の練習時間で、そこと正面きっての戦いは勝ち目なし。日々の練習は選択と集中で取り組むのが現実的。企業なら大企業VS中小企業。弱者は限られた分野を選択、そしてそこに集中。得意とする展開に強者を引きずり込むのが弱者の戦い方。

限られた環境での公立校の練習

現行のパワー野球を目指すなら筋トレは必須となるものの、限られた時間の中で基本プレーの反復に終始する公立校には、それも難しい。地方大会に限っては、多くの大差の試合は四死球やエラーから生じてしまうもの。ただ甲子園大会では基本プレーに徹底しても、パワーの前に屈していた公立校。

高校野球の歴史上象徴的なゲームは、 池田高校と広島商業のゲーム。これが来年から状況が一変します。

昭和~平成を彩った公立校 池田高校 明らかに昭和の高校野球で一時代を形成した“やまびこ打線”の破壊力 | 高校野球ドットコム

また一方で、現在の高校野球は球数制限と選手の健康上の理由から複数投手でゲームや大会を乗り切るのが主流。制度上でも、優秀な投手を複数用意できる強豪私学は優位。

低反発バット導入を追い風に

ただ公立校にとっては、来期から低反発バット、ロースコアの試合にこそ活路あり。タイブレーク制度も弱者には追い風。

【高校野球新規定】飛ばない「低反発バット」を解説!いつから?金属バットとの違いは?

新チームの秋の大会までは従来型の金属バットで実施。春のセンバツと2024年度春の大会以降は低反発バットとなり、新チームにとっては2種類の相反するバットでの公式戦。

大変なのは選手と指導者。チーム全体の編成にも影響するルールの変更を同一チームでやらなけらばなりません。層が厚い強豪校の場合であれば、4月を挟んで前期と後期で攻撃型と守備型のメンバー選抜もできるものの、フツーの公立校ではそれも難しい。いずれそうなるのであらば、9月新チームからの採用がよかったものの、諸事情もあってのことでしょう。

投高打低の秋田県高校野球はいかに

高校野球のチームの目標が夏の甲子園であるならば、新チームの秋の大会から敢えて低反発バットで公式戦に臨む策も1つ。春のセンバツ出場の目的もあるものの、結果を出したいのは夏の選手権大会。1980年代 池田高校が金属バットの特性を生かしたパワー野球で甲子園に革命を起こした真逆の変革が2024年春には起こり得るほどのエポックメーキングなルールの変更。

特に秋田県の高校野球は、おっさんが見始めた半世紀前から投高打低。近年甲子園で強豪校が見せる パワー野球での長打からのビックイニングでねじ伏せるチームの存続はナシ。そのせいか一時期は全国との差が開き、夏の大会初戦13連敗もありました。

延長即タイブレーク制度。選手の健康管理が第一の目的ではあるものの、延長即10回からルールチェンジ !これによる地方大会での強豪校の敗退での影響は否めません。ただ、選手層が薄い弱者公立にとっては、この機会を逃さない手はない。ノーヒット無得点の打線が、労せずしてノーアウト一塁二塁が舞い込むルール。

来年度からは外野のアタマを抜く長打や本塁打のパワー重視打撃を目指すより、内野の間を抜く低い打球の打撃が功を奏す。一部の才能と体力に突出した選手以外にも、ゲームの土俵で勝負できる時代への移行。

高校野球の低反発バットの導入から、現在開催中の夏の甲子園のホームラン数は減少。今夏までのオーバーフェンスの打球は、ほとんどの打者はフェンス前で失速します。なぜ昔の甲子園は外野のフェンス前にラッキーゾーンがあったか?それは昔のバットとボールの基準では打球が飛ばなかったからです。その分ロースコアからタイブレークでの決着は増加。

ただ最も大切なことの1つは、選手達が楽しく野球に取り組めるか?競技人口のほんの少しの突出した選手だけのものでは、そもそも野球自体がつまらない。野球という人気競技は、老若男女 経験者や未経験者含めて語りあえる競技の1つ。さらにアマチュアスポーツにおいては、プレーする選手も、一部の恵まれた才能と環境がある選手以外にも開かれた門戸であるべき。そしてその中から選ばれし選手は、プロやメジャーへの道も拡がります。

この国は過去に例がないほどの人口減少がこれから始まります。秋田県をはじめとする地方はさらに顕著。そのなかで高校野球が興隆するためには、野球人口の確保は必要不可欠。この先の時代を担う少年達には、野球という競技の魅力や楽しさを感じてもらわないと。では またです。