高松市では今日も真夏のような暑さが続き、梅雨明けも間近に感じられる一日でした。そんな季節の移ろいの中、昨日に続いて高校野球についての話題を綴りたいと思います。
私は高校卒業までを秋田県で過ごしました。雪深い冬と、短くも熱い夏。その季節の中で育まれた高校野球への情熱は、今も変わることなく続いています。卒業後は関東で進学し、就職を経て、Uターンで再び東北へ戻るという人生の流れの中で、甲子園を訪れる機会は長らくありませんでした。
そんな私にとって転機となったのが、2006年の神戸への転勤です。現職の異動で西日本に赴任したことがきっかけとなり、初めて甲子園球場のスタンドに足を踏み入れることができました。テレビ越しにしか見たことのなかった球場の空気、歓声、そして球児たちの姿。そのすべてが、私の記憶の中で鮮やかに蘇りました。
現在は高松市に住んでおり、スケジュールが許す限り、甲子園や地方大会の観戦に出かけています。西日本にいる間に、秋田県勢の夏の大会での勝利をこの目で見たい――そんな願いを胸に、スタンドから静かにエールを送り続けています。
秋田県勢は近年、夏の甲子園での連敗が続いています。地元の声援を背に、幾度となく挑戦を重ねる球児たちの姿には、勝敗を超えた“物語”があります。私にとって高校野球とは、単なるスポーツではなく、地域の記憶と個人の人生が交差する“語りの素材”なのです。
甲子園は、私の人生の節目に寄り添ってきました。秋田で過ごした少年時代、関東での社会人生活、神戸での転勤、そして今の高松での暮らし。そのすべてに、高校野球の記憶が静かに刻まれています。
今年もまた、夏の大会が始まります。球児たちの姿に、過去の記憶を重ねながら、私はスタンドから静かに祈ります。勝利の瞬間に立ち会えることを願って――。
