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新屋と能代松陽、勝敗はまた入れ替わった──6―3の秋に刻まれた、2027年夏への一頁

新屋と能代松陽、勝敗はまた入れ替わった──6―3の秋に刻まれた、2027年夏への一頁

 

 

夏4強・新屋との秋の初戦

雨天順延となった第78回秋季東北地区高等学校野球秋田県大会。

新屋と能代松陽の一戦は、能代松陽が6―3で新屋を破った。

 

 

 

試合前、松陽を推す者として、正直なところ勝てるとは思っていなかった。

新屋は夏の秋田県大会で4強入りしたチームである。しかも夏のメンバーを8人残している。

対する能代松陽は、夏の主戦だった二年生投手が今大会の登録メンバーに入っていない。

戦力を考えれば、新屋有利と見るのが自然だった。

私自身、敗者復活戦まで考えていた。

この日は現地観戦ではない。

スマートフォンの一球速報を追いながら、試合の経過を確認していた。

ところが、スコアは予想とは違う方向へ動いた。

能代松陽6―3新屋。

敗者復活戦を考えていた者にとっては、拍子抜けするような結果である。

しかし、この6―3は単なる意外な勝利ではない。

6点よりも、まず3点

松陽が6点を取ったことは大きい。

だが、この試合で最も評価すべき数字は、むしろ3失点である。

新屋は夏4強。

しかも夏のメンバーを8人残す。

その打線を、能代松陽の一年生投手が3点に抑えた。

これは大きい。

もちろん、松陽は守備面に不安を残している。

秋の新チームであり、完成されたチームではない。

それでも、夏4強の打線を3点に抑えた。

この事実は大きい。

秋の初戦で評価すべきは、派手な得点数だけではない。

「夏4強の打線を、どこまで抑えられるのか」。

その問いに対して、松陽は一つの答えを出した。

新屋の夏のエースが登板しても

さらに、6点の中身を見ると、松陽打線への評価は上がる。

新屋は6回から夏のエースを投入した。

夏に松陽を破ったときにもマウンドに立った投手である。

その夏のエースを相手にしても、松陽は得点した。

現場から伝わった情報によれば、登板直後の初球を三塁打。

その後、センター前ヒットで走者を返した。

わずか3球で1点である。

これは象徴的な場面だった。

「新屋のエースが出てくれば打てない」。

夏の対戦では、そんな構図があった。

しかし秋は違った。

新屋の夏のエースが登板しても、松陽は得点した。

4点取れば勝てるという計算

もちろん野球は単純な足し算ではない。

それでも、今日の試合から一つの目安は見えてくる。

新屋の夏4強打線を3点程度に抑えられる。

そして、新屋の夏のエースが登板しても得点できる。

ならば、松陽は4点を取れば勝負になる。

実際には6点を取った。

この6点には意味がある。

相手の投手力を考えれば、松陽打線が秋の段階でどこまで戦えるのかを測る材料になる。

現場からの情報では、この試合で松陽打線には三振がなかったとの情報もある。

公式記録で確認する必要はあるが、もし三振ゼロなら、さらに興味深い。

派手な一発攻勢ではなく、相手投手に食らいつき、タイムリーで得点を重ねた。

そういう攻撃だった可能性がある。

両校とも一年生投手から始まった

投手起用にも興味深い共通点がある。

この試合で先発したのは、両校とも一年生だった。

新屋は一年生投手で先発し、6回から夏のエースへ継投。

能代松陽も一年生投手を起用した。

松陽は夏の主戦だった二年生投手が今大会の登録メンバーに入っていない。

それでも、夏4強の新屋を相手に勝ち切った。

つまり、この秋の両校はまだ完成形ではない。

一年生投手が経験を積み、二年生の戦力が加わり、秋から春にかけてチームは変化する。

今回の一試合だけで来年の勢力図を決めることはできない。

だが、来年を考えるための材料は、確実に出てきた。

近年の新屋―能代松陽

ここで、近年の対戦を振り返る。

2024年夏 新屋2―1能代松陽
2025年春 新屋0―1能代松陽
2025年秋 新屋6―7能代松陽
2026年夏 新屋3―1能代松陽
2026年秋 新屋3―6能代松陽

この5試合は、新屋2勝、能代松陽3勝である。

しかも、5試合すべてが3点差以内。

2024年夏は1点差。

2025年春も1点差。

2025年秋も1点差。

2026年夏は2点差。

そして今回が3点差。

ここまで接戦が続けば、もはや単なる偶然とも言い切れない。

新屋―能代松陽。

このカードは、秋田県高校野球の中で少しずつ意味を持ち始めている。

勝敗はまた入れ替わった

この5試合の流れを見ると、さらに面白い。

2024年夏は新屋。

2025年春は能代松陽。

2025年秋も能代松陽。

2026年夏は新屋。

そして2026年秋は能代松陽。

新屋が2勝、松陽が3勝。

まさに勝敗が入れ替わっている。

しかも、どちらかが一方的に勝つカードではない。

接戦の末に勝敗が動く。

世代が変われば、また力関係も変わる。

その繰り返しである。

このカードには、すでに一つの歴史ができ始めている。

勝ったり負けたりするから面白い

高校野球には、一方の学校が何度も勝ち続けるカードがある。

しかし、勢力図を考えるうえで面白いのは、むしろ勝敗が入れ替わるカードである。

新屋と能代松陽がまさにそれだ。

2024年夏は新屋。

2025年春、秋は松陽。

2026年夏は新屋。

そして2026年秋は松陽。

5試合で3勝2敗。

数字だけを見れば松陽が一歩リードしている。

だが、これをもって両校の力関係が決まったとは言えない。

むしろ、次に対戦すればどちらが勝つのか分からない。

そこに、このカードの面白さがある。

2027年夏の勢力図、その一頁

もちろん、ここで「能代松陽が秋田県の優勝候補だ」と言うつもりはない。

まだ秋の初戦である。

新屋も、この一敗で評価を落とすようなチームではない。

むしろ、夏4強のメンバーを多く残す新屋が、ここからどう立て直してくるのかも見どころになる。

一方の松陽も、守備面を含めて課題はある。

だからこそ、今回の一戦だけで結論を出してはいけない。

しかし、来年の夏を考えるうえで、この試合を無視することもできない。

夏4強の新屋。

そこに挑んだ能代松陽。

新屋は夏の主力を多く残し、松陽は夏の主戦だった二年生投手を登録メンバーに含まない。

その条件で、松陽が6―3で勝った。

しかも、新屋の夏のエースが登板してからも得点した。

そして、新屋打線を3点に抑えた。

2027年夏の勢力図を占うには、まだ早い。

だが、その一頁としては十分な一戦だった。

敗者復活戦を考えていた者への答え

試合前、私は敗者復活戦まで考えていた。

夏4強。

夏のメンバー8人が残る新屋。

対する松陽は、夏の主戦だった二年生投手が今大会の登録メンバーに入っていない。

戦力だけを見れば、厳しい試合になると思っていた。

スマートフォンの一球速報を追いながら、コールド負けまで頭をよぎった。

ところが、試合終了の画面に表示された数字は6―3。

松陽が勝った。

しかも、新屋の夏のエースが登板してからも得点した。

そして、夏4強の打線を3点に抑えた。

敗者復活戦を考えていた者にとっては、まさに拍子抜けするような結末だった。

だが、この一勝を「意外だった」で終わらせてはいけない。

新屋の現在地。

能代松陽の現在地。

そして、秋田県高校野球のこれからを考えるための材料が、この一試合の中にいくつも詰まっている。

夏は終わった。

秋が始まった。

新屋と能代松陽。

勝敗は、また入れ替わった。

その6―3という数字は、単なる秋の一試合の結果ではない。

2027年夏の勢力図を考えるとき、振り返ることになるかもしれない一頁である。

だから、今はまだ結論を急がない。

ただ、この一頁には記しておく。

能代松陽、夏4強の新屋を6―3で破る。

秋田の高校野球は、また混戦の季節へ入ったのである。