■1981年と1985年――二つの転換点をまたいだ世代として

1981年という「近代化の完成」を感じた年
1981年は、日本社会が戦後の成長を経て、文化や生活の面で成熟し、近代国家としての形をほぼ完成させた時期だったと思います。
象徴的なのは、大瀧詠一さんの『A LONG VACATION』です。都会的で洗練されたサウンドは、日本の大衆文化が世界水準に達したことを示していました。
その年に私は大学へ進学し、地方から東京へ出てきました。街の空気、人の流れ、文化の厚み――すべてが新鮮で、昭和の価値観から現代的な感性へと移行する入口に立っていたのだと、今になって感じます。
1985年という「価値観が動き出した」年
そして1985年。私は社会人として売場に立ち、初めて現場の空気を吸い込みました。
この年は、男女雇用機会均等法が施行され、働く女性の立場が制度として支えられ始めた年でもあります。
八王子の売場で出会った同期の彼女の視線は、まさに新しい時代の空気を先取りしていたのだと思います。
1981年に感じた文化の成熟が、1985年には制度の変化として形になり、日本社会が次のステージへと動き出していました。
二つの節目が人生のスタートと重なったこと
大学生として社会を外側から見始めた1981年。
社会人として現場に入り、内側から社会を感じ始めた1985年。
この二つの年が、日本社会の価値観が変わる前夜と、変わり始めた瞬間に重なっていたことに、今になって気づきます。
私の人生のスタートは、ちょうど日本が次の時代へ踏み出すタイミングと重なっていました。
あの空気を肌で感じられたことを、今は貴重に思っています。
時代の疾走感を象徴した映画
そういえば、1985年は映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が公開された年でもありました。
過去と未来を行き来する物語は、まさにあの年の疾走感を象徴していたと思います。
社会も人も、未来へ向かって一気に走り出していた――そんな時代の勢いを、スクリーンの中にも感じました。