【百貨店編④】 休日が営業日という現実と、そこから見えたこと

小売業の宿命
小売業に就職する前から、「土日祝が仕事になる」という事実は理解していました。学生時代のアルバイトでも休日出勤は当たり前で、一人暮らしだったこともあり、当初はそれほど大きな負担には感じていませんでした。
しかし、当時の小売業界には今よりも“余白”がありました。大店舗法の規制で週に一度の定休日があり、閉店時間も18時。サービス業の中では、まだ生活とのバランスが取りやすい環境だったのです。
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バブル期がもたらした「休めない働き方」
その均衡は、バブル経済の波とともに崩れていきました。年中無休・営業時間延長の流れが一気に進み、週休二日制があっても実質的には「定休日以外すべて営業日」という状態に。休みは交代制で、シフトが確定するのは翌月分のみ。数ヶ月先の予定など立てられるはずもなく、楽しみにしていたLIVEやスポーツ観戦にはほとんど行けませんでした。
それでも働き続けたのは、特にやりたいことも資格もなく、「大手企業だから潰れないだろう」という安定への期待が支えになっていたからです。
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若い時期こそ「社会と同じ時間軸」で生きる大切さ
今振り返ると、職業観が定まっていない若者にとって本当に大切なのは、「土日祝に休める」という、社会と同じリズムで生活できる環境だったのではないかと感じます。たとえ地方の中小企業であっても、家族や友人と同じ時間軸で暮らせることは、健やかな社会生活に直結します。
「どこも混んでいるから平日休みのほうがいい」と言われることもありますが、その裏側を支える側の苦労はなかなか理解されません。しかも小売・サービス業は低賃金であることが多く、体力的にも精神的にも厳しい現実があります。
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志があるなら続けられる。なければ厳しい世界
だからこそ、もし明確な目的や覚悟がないのであれば、小売業やサービス業はおすすめできません。逆に、接客が好き、売場づくりが好き、専門性を磨きたいなど、はっきりした動機があるなら、やりがいを見出せる仕事でもあります。
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あの経験が、今の価値観をつくった
私自身は、あの時代を経験したからこそ、「働くとは何か」「休むとは何か」「社会とどう関わるのか」という問いに向き合えるようになりました。
休日が営業日である現実に向き合いながら働いた日々は、今の価値観を形づくる大切な土台になっているのだと、改めて感じています。
次回は百貨店の中に存在する“見えない壁”と部門の序列について書きます。