インターネットに残らない「当時の空気感」を求めて
- 昭和の一次資料の希少性
- 記憶の断片からAIへ──掲載時期を絞り込む作業
- 図書館での資料探索──書庫とマイクロフィルムの世界
- AIによる文字起こしと要約──著作権との向き合い方
- 当時の空気感を残すために
- 図書館スタッフの皆さんへの感謝

昭和の一次資料の希少性
大型連休を利用して、私が生まれた昭和36年以降の秋田、特に能代市の高校野球についてブログ記事を作成しました。現在はスマートフォン一つで膨大な情報にアクセスできますが、その前提には「インターネット上に記事が存在していること」があります。試合結果のような数字は古い記録でも検索で容易に見つかります。しかし、当時の球場のざわめきや紙面から伝わる熱気といった“空気感”までを感じられる記事には、なかなかたどり着けません。
これは検索機能だけでなく、AIを使っても同じでした。私自身、過去に読んだ書籍や新聞特集の断片的な記憶を頼りに、まずはネット上で探してみましたが、肝心の資料はほとんどヒットしませんでした。
---
記憶の断片からAIへ──掲載時期を絞り込む作業
そこで、わずかに覚えている文章や特集名をAIに入力し、掲載時期を推定するところから始めました。今回引用した秋田魁新報「八橋球場50年」の特集も、AIとのやり取りを重ねる中で、平成3年10月から12月にかけて掲載されていたことが判明しました。
この「記憶の小さなかけら」から手がかりを広げていく作業は、AIが非常に有効でした。
---
図書館での資料探索──書庫とマイクロフィルムの世界
掲載時期の見当がついたところで、実際に図書館を訪ねました。書棚には目的の書籍はなく、スタッフの方が書庫から丁寧に取り出してくれました。書庫利用の手続きすら知らなかった私にとって、これは新鮮な体験でした。
さらに古い地元紙の記事はマイクロフィルムで保管されています。1か月分が1巻となっており、その中から目的の記事を探し、プリントアウトする作業になります。
事前にAIで掲載時期を絞り込んでいたため、作業はスムーズでしたが、それでも記事を見つけるまでには一定の時間と集中力が必要でした。
---
AIによる文字起こしと要約──著作権との向き合い方
プリントアウトした記事をそのまま全文掲載することは著作権の観点からできません。引用の範囲や扱い方も素人の私には判断が難しいため、今回はAIに文字起こしと要約を依頼し、私自身の記憶と照らし合わせながらブログ記事として再構成しました。
AIは「文章をそのまま載せない」という制約の中で、内容の骨格を保ちながら要点を整理してくれるため、非常に助かりました。
結果として、当時の紙面の雰囲気を損なわずに記事としてまとめることができたと思っています。
---
当時の空気感を残すために
試合翌日の地元紙や郷土紙は、当時の空気感をもっとも深く記録している媒体の一つです。しかし、それらの多くはインターネット上に存在していません。
だからこそ、誰かがこうした資料をもとに「当時の空気感」を残していくことが大切だと感じています。私自身も、時間と気力が許す限り、今後も試みていきたいと思っています。
---
図書館スタッフの皆さんへの感謝
最後に、書庫の資料の取り出しからマイクロフィルムの扱いまで、丁寧に対応してくださった秋田市の図書館スタッフの皆さんに心から感謝申し上げます。
おかげで、私の記憶の奥に残っていた文章や記事と再会することができました。今回のブログ記事は、その再会から生まれたものです。
余談ですが、平成3年の紙面を探す途中で、当時私が校正に関わった新聞広告にも再会しました。思いがけない形で、自分の足跡に触れた瞬間でした。
※大型連休中に作成したブログ記事はこちらを参考・引用資料としました。『戦後の証言―能代30年の歩み』 北羽新報社 編・発行(昭和52年刊)
秋田魁新報 平成3年10月~12月掲載「八橋球場の50年」