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現場文化が組織を弱くするとき──行政情報を読まない会社が抱える構造的リスク

現場文化が組織を弱くするとき──行政情報を読まない会社が抱える構造的リスク


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企業の不祥事というと、特定の社員のミスや管理職の判断ミスとして語られがちです。しかし実際には、組織文化そのものが不祥事を生み出す土壌になっているケースが少なくありません。

その典型例が、現場中心の「電話とその場判断」の文化が会社全体を支配してしまった組織です。

現場では、電話で済ませる、文章にしない、記録を残さない、その場で判断するというスタイルが日常です。これは日常業務のスピード感には非常に合っていますが、行政や省庁が発信するような「文章で理解すべき情報」には極端に弱くなります。

その結果、重要な法改正や行政発表が誰にも読まれないまま時間が過ぎ、情報が「誰かが知って、それを口コミで伝える」という伝言ゲームのような形でしか共有されなくなります。情報の正確性は失われ、共有範囲は偏り、記録も残らず、組織としての判断基盤が崩れていきます。

文章を読まない文化の組織では、文章を書く文化も育ちません。文章を書くという行為は、事実を整理し、重要度を判断し、相手の立場を考え、誤解を避け、責任の線引きをするという「思考の型」そのものです。文章文化がない組織は、判断力が育たない組織と言い換えることができます。

行政文書を読まない、記録を残さない、口頭で済ませる、前例主義、責任の所在が曖昧──これらが積み重なると、不祥事は偶然ではなく、文化が生み出した必然になります。

現場文化は必要です。しかしそれだけでは組織は守れません。行政文書を読む習慣、情報を文章で共有する習慣、記録を残す習慣、判断の根拠を文章化する習慣が加わることで、組織は初めて「事故に強い体質」になります。

企業が本当に強くなるためには、現場文化と文章文化の両輪が必要なのです。