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DH制度の追い風──能代松陽、打線再構築への冬

DH制度の追い風──能代松陽、打線再構築への冬



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2026年春から高校野球に導入されるDH(指名打者)制度。
この変化は、能代松陽高校のような「投手力はあるが打撃に課題がある」チームにとって、まさに追い風となる可能性があります。

2025年秋の秋田大会準決勝まで勝ち進んだ能代松陽は、投手陣の打撃成績が厳しい状況ながら、粘り強い守備とベンチワークで勝ち上がりました。
しかし、準決勝では打線の“キレ”が流れを断ち、得点機を逃す場面が目立ちました。

このような背景から、DH制度の導入は能代松陽にとって「打線の穴を埋める風」となり得るのです。

 

 ■ DH制度の本質──攻撃専用枠としての役割

DH制度とは、投手の代わりに打撃専任の選手を打席に立たせる制度です。
守備には就かず、打撃だけを担当する“攻撃枠”として機能します。

この制度により、投手はピッチングに専念でき、打線は“確定アウト”を避けることができます。
能代松陽のように、投手陣の打撃力が課題であるチームにとっては、打線の流れを断ち切らずに得点力を維持できる大きなメリットがあります。

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■ 公立校ならではの戦術──一塁手3人構成のハイブリッド型

私は、DH制度を活かすために「一塁手3人構成」のハイブリッド型を提案したいと思います。

- 守備力の高い選手を一塁に固定
- 打撃力に優れ、守備に不安がある左右の打者2人をDH候補として準備
- 相手投手の左右に応じて、DHを使い分ける

この構成により、守備の安定と打線の厚みを両立できます。
公立校ならではの「役割の明確化」と「柔軟な起用」が、戦術の幅を広げる鍵となります。

 

■ DH解除のルールと守備配置の再設計

DH制度には明確なルールがあります。

- DHが守備についた瞬間、DH枠は解除されます
- 以後、DH枠に別の選手を入れることはできません

このため、試合中にDH選手を守備に回すことは慎重に判断する必要があります。
打線の厚みを維持したい場合は、DH選手を守備に就けず、ベンチに残す方が合理的です。

 

 ■ 投手にも外野守備と打撃練習を──“予測不能”への備え

試合展開は予測不能です。
次の投手が不調だった場合、先発投手を再登板させるケースもあり得ます。

そのため、投手にも最低限の外野守備練習(フライ処理・ポジショニング・送球)を課すことは、実戦対応力の強化につながります。

また、DH解除後に打席に立つ可能性もあるため、バント・犠打・進塁打などの“状況対応型”の打撃練習も最低限行うべきです。

 

 ■ 卒業後の競技生活を見据えた育成

高校野球はゴールではなく、その先の野球人生の土台です。
投手が「守備もできる」「最低限の打撃もできる」ことで、大学・社会人・クラブチームなどでの選手価値が広がります。

育成の比重は、チームバランスや選手層、置かれた状況によって変わります。
しかし、制度の変化に対応する柔軟な育成方針と、選手の将来を見据えたバランス感覚が融合することで、チームはより強く、選手はより豊かに育っていくのです。

 

■ 語り部として記録すべきこと

制度が変わるとき、現場の空気も変わります。
数字だけでは語れない「打線の流れ」「選手の役割」「監督の判断」──それらを記録し、語り継ぐことが、私の語り部としての役割だと思っています。

春の県大会では、能代松陽が“打線の穴”をどう埋め、どんな戦いを見せるのか。
その一球一打が、また新たな物語を紡ぎ出すことでしょう。

追い風は吹いています。
それをどう帆に受けるか──能代松陽の春が、今から楽しみでなりません。