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AIとセンバツ選考——既得権との静かな摩擦

AIとセンバツ選考——既得権との静かな摩擦


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この先の球春の訪れとともに、また春のセンバツ高校野球の代表校が発表される季節がやってきます。
この時期になると、毎年のように「なぜあの学校が?」「なぜこの学校が落ちた?」という声が聞こえてきます。
選考のたびに繰り返される議論は、ある意味で春の風物詩とも言えるかもしれません。

そんな中でふと考えるのです。
もし、センバツの選考にAIが関わったら——その選考は、もっと透明で、もっと納得感のあるものになるのではないかと。

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AIは、秋の大会の成績や対戦相手の格、地域バランス、過去の選考傾向など、複雑な要素を同時に処理することができます。
また、学校の話題性や地域との関わり、不祥事の有無といった定性的な情報も、ニュース記事やSNS、地域メディアなどから横断的に分析することが可能です。

さらに、AIは感情や先入観に左右されることなく、データに基づいた判断を下すことができます。
そのため、選考理由を明確に説明できるという点でも、非常に大きな強みを持っています。

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もちろん、人の目でしか見えないものもあります。
選手たちの表情、試合の空気、地域の熱量——そうした“肌感覚”は、まだAIには完全には読み取れません。
長年高校野球に関わってきた有識者の経験や直感が、選考に深みを与えてきたことも事実です。

ですから、AIがすべてを決めるべきだとは思いません。
むしろ、AIと人間が補完し合うことで、より豊かな選考が可能になるのではないでしょうか。

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しかし、現実にはAIの導入に対して慎重な声も多くあります。
特に、選考委員という役割を担ってきた有識者の方々にとっては、AIの導入が「自分たちの役割を奪うもの」と映るかもしれません。

これは、AIと既得権の摩擦という、非常にわかりやすい構図です。
センバツ選考という伝統ある舞台において、AIがどこまで踏み込めるのか——その折り合いのつけ方が、今後の焦点になるでしょう。

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理想的なのは、AIと人間が役割を分担しながら選考にあたることです。
たとえば、AIが候補校をデータに基づいて絞り込み、その選考理由を提示する。
そのうえで、有識者が「今、届けたい物語」や「地域の声」を加味して最終判断を下す。
そんな共創的な選考のかたちが、これからのセンバツにふさわしいのではないかと感じます。

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「選ばれることの意味」は、誰が選ぶかではなく、どう選ばれるかにあります。
AIが選考に関わることで、選ばれた学校も、惜しくも選ばれなかった学校も、
その理由が“見える”春になるかもしれません。

そして何より、選考の透明性が高まることで、
高校野球を愛するすべての人が、より納得し、より深く春のセンバツを楽しめるようになることを願っています。