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未完成の天才・佐々木朗希が歩むべき道 〜摂津正の沢村賞からサイ・ヤング賞への架け橋〜

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ロッテからドジャースへと舞台を移した佐々木朗希投手は、MLBでの本格的な挑戦を続けています。圧倒的な球速とスプリットを武器に、すでにメジャーの打者を圧倒する場面も見られますが、まだ「年間を通してフル稼働した実績」はありません。そんな佐々木投手の未来を思い描くとき、私は一人の名投手の姿を重ねずにはいられません。それが、福岡ソフトバンクホークスで活躍した摂津正投手です。

摂津投手は秋田県出身。秋田経法大附-JR東日本東北を経て、26歳でプロ入りした遅咲きの右腕でした。プロ1年目から中継ぎとして頭角を現し、最優秀中継ぎ投手を2度受賞。新人王にも輝きました。しかし彼の真価が発揮されたのは、28歳で先発転向した2011年以降です。翌2012年には17勝5敗、防御率1.91という圧倒的な成績を残し、沢村賞を獲得。彼の代名詞となったシンカーは、打者の芯を外し、ゴロを打たせる「打たせて取る」球種として、先発でも通用する術へと昇華されました。

一方、佐々木朗希投手は岩手県陸前高田市出身。高卒でNPB入りし、MLBでもすでに先発・抑え両方を経験していますが、まだ23歳。摂津投手が先発転向した年齢よりも5歳も若く、時間的な余白は十分にあります。彼のスプリットは、空振りを奪う縦の変化球。MLBでも通用する決め球として、抑えでも先発でも機能しますが、肩への負担は大きいとも言われています。

だからこそ、今は抑えとして年間通して稼働できる身体づくりと実績の積み上げが最優先ではないでしょうか。ドジャースも佐々木投手の健康管理を重視しており、マイナー契約中の抑え起用は合理的な選択といえます。まずはMLBの打者との対戦経験を積み、肩の状態を見極めながら、将来的な先発復帰に備えるべき段階です。

佐々木投手がサイ・ヤング賞に挑むためには、年間通しての安定感、登板間隔への適応、球種の組み立てと緩急の習得、そしてチームの勝利に直結する投球が求められます。これらを着実に積み上げていけば、MLBの頂点に立つ日も夢ではありません。

摂津正投手がシンカーを軸に先発で成功したように、佐々木朗希投手もスプリットを磨き、肩の負担を管理しながら、先発としての適応力を高めていくことができるはずです。未完成だからこそ、育てがいがある。そして、東北の誇りとして静かな闘志を胸に秘める佐々木朗希投手ならば、きっとその頂に届くと信じています。

今はまだ道半ば。ですが、その歩みは確実に未来へとつながっています。摂津正投手のように、静かに、そして力強く。佐々木朗希投手がサイ・ヤング賞の舞台に立つ日を、私たちはじっくりと待ちたいと思います。


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