芯のある政治が求められる時代
戦後80年という節目を迎えた今、日本の政治は新たな転換点に差しかかっていると感じます。
長年続いてきた派閥政治や忖度文化、空気を読みすぎる風潮の中で、国民が求めているのは「芯のあるリーダー」ではないでしょうか。
その候補として注目されているのが、高市早苗氏です。彼女の登場は、単なる“女性初の首相”という枠を超え、歴史的にも象徴的な意味を持つ可能性があります。
女性リーダーの歴史的背景:女帝の記憶と奈良の地

日本の歴史には、8人10代の女性天皇が存在していました。推古天皇、持統天皇、称徳天皇など、彼女たちは単なる“つなぎ”ではなく、制度改革や都市設計、宗教政策に深く関与した国家の統治者でした。
推古天皇は聖徳太子を摂政に任命し、仏教の普及と律令制度の礎を築いた人物です。持統天皇は藤原京への遷都を実現し、都市と制度の融合を体現しました。称徳天皇は仏教国家体制を強化し、政治と宗教の境界を揺るがす存在でもありました。
奇しくも、奈良という地は卑弥呼の邪馬台国の有力候補地でもあり、平城京の女帝たちが都を治めた場所でもあります。高市氏が奈良を拠点にしていることは、まさに歴史の地層から湧き上がるリーダー像の再来とも言えるのではないでしょうか。
奈良時代の外交と現代の隣国関係
奈良時代(710〜794年)は、日本が積極的に大陸との外交を展開した時代でした。特に中国・唐との関係では、遣唐使を通じて制度・文化・宗教を学び、国家の骨格を整えることに成功しました。唐の長安をモデルにした平城京の設計は、当時の日本がいかに国際的な視野を持っていたかを示しています。
また、朝鮮半島の渤海とは友好関係を築き、使節の往来も盛んでした。渤海使を迎えるために能登や越前に迎賓施設を設けるなど、外交都市としての機能も整備されていました。奈良時代の日本は、決して孤立した島国ではなく、東アジアの交差点としての役割を果たしていたのです。
現代においても、中国や朝鮮半島との関係は極めて重要です。しかし、過度に気を使いすぎるあまり、対等な外交が損なわれている場面も見受けられます。聖徳太子が隋に送った国書にある「日出づる処の天子、日没する処の天子に致す」という言葉のように、今こそ日本は自立した国家として、対等な立場で冷静かつ誠実な外交を再構築すべきではないでしょうか。
高市氏のような芯のある女性リーダーが登場することで、こうした外交姿勢にも新たな風が吹き込まれることを期待しています。
内政におけるブレーンの重要性:制度の壁を越える力
女性リーダーが国家を導くには、信頼できるブレーンの存在が不可欠です。
官僚機構は制度運営のプロフェッショナルである一方、前例主義や縦割り文化が根強く、政治家の意志を骨抜きにすることもあります。
特に女性リーダーの場合、性別による偏見や軽視が制度の奥底に潜んでいることもあり、強い意志と戦略が求められます。
信頼できるブレーンとは、単なる実務屋ではなく、リーダーの理念を共有し、政策に魂を込められる存在です。
制度の“言語”を理解し、官僚を動かす技術と経験を持ち、裏切らない人物――そのようなブレーンがいてこそ、芯のある政治が制度の壁を越えて実現されるのではないでしょうか。
女性リーダーが導く日本の再構築
高市早苗氏が首相に就任すれば、それは単なるジェンダーの象徴ではなく、構造転換の象徴となるでしょう。
奈良という土地に宿る女帝の記憶、そして現代の制度疲労を打破する可能性――それらが重なり合う瞬間です。
芯のある政治、透明性のある外交、そして制度を動かす実行力。
女性リーダーが導く日本は、過去の記憶と未来の可能性をつなぐ、新しい政治のかたちを描き出していくと信じています。