夏の風物詩、高校野球専門誌による47都道府県大会展望と出場校予想が出揃う頃
毎年この時期になると、高校野球ファンにとっての“夏の風物詩”ともいえる、専門誌による各都道府県大会の展望と代表校予想が発売されます。編集は主に都内出版社の担当者が行い、秋・春の地区大会戦績をベースに構成されるため、取材範囲には限りがあります。
甲子園出場校が出揃って刊行される「甲子園特集号」のランク付けでも、春のセンバツや地区大会の資料が中心。秋田県代表はどのチームが出場してもおおむねC評価に留まりがち。夏の甲子園ランクは春センバツベスト4以上がA、地区大会上位がB、それ以下はCという、ざっくりとした評価です。
各誌の秋田大会優勝予想:割れる評価軸とメディアの視点
・報知高校野球 → 明桜
報知高校野球2025年7月号 | 出版物,雑誌,報知高校野球 | ショップ報知
・週刊ベースボール→金農
甲子園 第107回全国高校野球 選手権 地方大会展望号(週刊ベースボール7月18日号増刊) | BBMスポーツ | ベースボール・マガジン社
・野球太郎 →明桜・ 秋商
野球太郎Web|高校野球からプロ野球ドラフト情報まで掲載中!
・ホームラン→ 明桜・秋商
https://www.fujisan.co.jp/product/1281683481/new/
・朝日新聞→ 能代松陽・明桜・金農・秋商
能代松陽が投打に充実、好投手擁する明桜、金足農も力 秋田大会展望 - 高校野球 [秋田県]:朝日新聞
春の秋田県大会決勝戦では、能代松陽が明桜を破って優勝。ただしその試合で明桜は主戦投手を温存していた事情もあり、真の実力差は未知数。夏の大会で両校が対戦するのは、順当に勝ち進めば決勝戦となる構図です。
注目チームの横顔
- 明桜(ノースアジア大明桜):春の県大会無失点のエースを擁し、戦力は県内随一。春決勝での温存から、本気モードの夏には爆発力が期待されます。
泉 琉偉-選手プロフィール : 一球速報.com | OmyuTech
- 金足農:言わずと知れた名門。甲子園準優勝チームの主戦投手の弟がエースとして登場し、メディア的にも“全国区の存在感”を放っています。
吉田 大輝-選手プロフィール : 一球速報.com | OmyuTech
- 能代松陽:秋準優勝・春優勝と安定感抜群。東北大会で乱れた守備が整えば、攻守にバランスの取れたチームとして頂点も狙えます。
また春の秋田県大会では負傷のためベンチスタートの4番も復帰。夏は打線の中軸として持ち前の長打力での活躍が期待できます。
菊地 瑛太-選手プロフィール : 一球速報.com | OmyuTech
- 秋田商業:今大会はノーシードながら、秋の県大会優勝からの実力は十分。ここ2年連続で決勝進出、惜敗している悔しさは計り知れません。春は1試合のみの登場とあって戦力が未知数。大会序盤での対戦を避けたい“ノーシード爆弾”の筆頭です。
秋田市立秋田商業高等学校(秋田)-チーム-メンバー : 一球速報.com | OmyuTech
カギを握るのは「雨天順延」と「継投策」
近年の秋田県大会は、どのチームが勝ってもおかしくない実力伯仲の様相。それゆえに、影響力を持つのが“天気”。例年、秋田大会は雨に悩まされ、登板間隔が空くことでエース頼みのチーム(明桜・金農)には有利に働く一方、絶対エース不在の能代松陽・秋田商業は継投と打線の援護が必須となります。
また最近の予報では梅雨明けも例年より早まった場合は、雨の休養から猛暑での疲労も影響が出そうです。
ただどんな状況下になろうとも、能代松陽は東北大会でエラー絡みの大量失点を経験。直前の守備の修正が、夏の命運を握るかもしれません。
高校野球ファンとして、また“おっさん”としては、2011年から能代松陽の甲子園出場を願ってやみません。今夏の予想誌の中では野球太郎が能代松陽の実力を、上位からの第3グループとして位置付けしており他誌と比較してもっとも低評価でした。この評価を本番では覆して甲子園出場を決めてほしいものです。
選手権大会の勝負の行方は、1つのアウト、1球の差で大きく変わる。それこそが夏の醍醐味なのです。