今年の3月末をもって、現職場での1年ごとの定年再雇用嘱託社員としての契約が満了となります。
私の職場では、最長でも65歳の誕生日まで働ける制度があり、あと1年半の猶予はあるのですが、諸事情により今年度をもって退職することを、自分の中で決めていました。
この先どうしようかと迷っていた矢先、お取引先様からお声がけをいただき、検討の末、来年度からその会社で嘱託社員として働くことになりました。
決め手となったのは、給与よりも「退職年齢に上限がないこと」でした。
現職場では、正社員時代と給与の差はないものの、30代・40代の一般社員と同じパフォーマンスが求められます。年齢相応の働き方を望む気持ちもありましたし、65歳の誕生日で契約終了という制約も、今後を考えるうえでの大きな要素でした。
一時は、現職から完全にリタイアして一度リセットすることも考えました。その場合は、失業保険の給付を受けつつ、年金の前倒し受給と軽作業のアルバイトで生活をつなぐことになります。
ただ、アルバイトといっても、私はこれまで2社での会社員経験しかなく、身近なコンビニスタッフの仕事ひとつ取っても、業務内容は非常にハイスペック。
「何がしたいか」よりも「何ができるか」が、シニア世代に社会が求める現実なのだと痛感します。
もちろん、お金はあるに越したことはありません。
とはいえ、純白のメルセデスやプール付きのマンションを求めているわけではありません。
雨風をしのげるささやかな住まいと、好きな高校野球の観戦、たまにのライブ参加、そしてそれを発信するブログの更新ができれば、それで十分です。
この年齢になって、最も大切なことのひとつは、社会的な立ち位置や収入ではなく、「健康であること」だと気づかされます。
それでも、ストレスやプレッシャーから解放されたいという本音もあります。
仕事における「収入」と「心の平穏」との間には、常にジレンマがつきまといます。
ただ、現在の貯蓄状況を考慮すれば、70歳までの収入確保は、慎ましやかな暮らしを維持するうえでも必要不可欠です。
人口構成の変化を見ても、年金制度は今後ますます厳しくなるでしょう。
年金だけで老後を悠々自適に過ごせたのは、私たちの世代の前の前——いわば“最後の年金世代”だったのかもしれません。
何はともあれ、これで「勤労者」としての生活が、もうしばらく続くことになりました。
では、またです。