◇決勝◇甲子園球場◇観衆=43,000人
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
東海大相模 2 0 2 2 0 0 0 0 4 10
仙台育英 0 0 3 0 0 3 0 0 0 6
2015年夏の甲子園決勝戦、仙台育英は惜しくも敗れました。序盤は東海大相模が主導権を握り、ワンサイドゲームになるかと思われましたが、6回裏に仙台育英が同点に追いついた瞬間、運転中だった私は思わず涙がこぼれそうになりました。
三塁に勝ち越しのランナーを残しての攻撃、ここで得点できなかったことが、結果的に大きな分岐点となったように思います。後半はスタンドの声援も後押しし、流れは仙台育英に傾いていました。9回表を無失点で切り抜けていれば、裏の攻撃、あるいは延長戦での勝機もあったはずです。
しかし、9回表に訪れた大きな落とし穴。先頭打者の初球ホームランは仕方ないとしても、その後のエラーや連打による失点が決定的でした。ここに、優勝と準優勝の差があるのかもしれません。実力は互角、流れも味方し、スタンドの声援もあった。それでも勝てなかった――。
高校野球100年の歴史の中で、東北勢はいまだに夏の優勝を果たしていません。春のセンバツも含めると、決勝での連敗は11回目。私は現在53歳。これまでに見てきた東北勢の夏の決勝戦は以下の4試合です。
- 1969年夏 松山商 4-2 三沢(小学2年生、自宅で観戦)
- 1971年夏 桐蔭学園 1-0 磐城(小学4年生、母の実家で観戦)
- 1989年夏 帝京 2-0 仙台育英(27歳、横浜市の会社の休憩室で観戦)
- 2015年夏 東海大相模 10-6 仙台育英(53歳、松山市で仕事中)
渡辺元監督(横浜高校)がテレビで語っていた「優勝は狙って臨まないと、絶対に取れない」という言葉が胸に残ります。今夏の仙台育英は、まさに“本気で優勝を狙って”甲子園に乗り込んできたチームでした。無欲の勝利ではなく、狙っての決勝進出。これは大きな意味を持つ年だったと思います。
甲子園に出場するだけでも大変なこと。さらに夏の甲子園で優勝するには、長打力のある打線、全国レベルの2枚看板の投手、そして堅実な守備が必要です。これだけの戦力を揃えるのは、東北の公立校にとっては奇跡に近いことかもしれません。
渡辺監督は「さらに物凄い何かが必要」とも語っていました。全国レベルの投攻守に加え、プラスαの力。それでもなお、決勝で勝てない東北勢。1969年の三沢はあと一球、1989年の仙台育英はあと一本、そして2015年の仙台育英は、9回表の一瞬の隙と魔に泣きました。
「千日の鍛錬、一瞬の業」――松山商業の部訓であり、池田高校の蔦監督が好んで使った言葉。長い鍛錬の末に訪れる一瞬の勝負、その一瞬をつかみ損ねてきた東北勢。なぜそうなるのか、何が足りないのか。答えはわかりませんが、さらなる鍛錬が必要なのかもしれません。
東北勢の優勝、その瞬間が訪れる日を信じて。来夏に、また期待しています。
では またです。