四方山話に時々音楽と高校野球

高校野球・浜省推し・スピリットは1980年代

花巻東の“サイン伝達”問題に思う――フェアプレイと現実のはざまで ---

花巻東でインターネット検索すると、出るわ出るわ――  
「サイン盗み」「卑劣」など、炎天下でプレーしている高校球児にはあまりに気の毒な言葉が並びます。

動画サイトでは、そのシーンが繰り返し再生され、拡散されています。

確かに、禁止されているサインの伝達を行い、審判から注意を受けたという事実はあります。  
ルール・マナー違反であることは否定できません。

しかし、それに対して世間があまりにも過剰に糾弾しすぎてはいないでしょうか?

まるで犯罪でも犯したかのような勢いで、昨今の不祥事や芸能界のスキャンダルと同じような扱い。  
高校球児にこの顛末の責任をすべて背負わせるのは、あまりに酷だと思います。

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これ以上問題が大きくなるようであれば、選手を守るためにも、  
指導・指示をした大人が責任を取るべきです。

仮に監督が責任を取って退いたとしても、あの器量であれば、すぐに他校からオファーがあるでしょう。

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ルールにはこうあります:

「走者やベースコーチなどが捕手のサインを見て打者にコースや球種を伝える行為を禁止する。  
もしこのような疑いがあるとき、審判員はタイムをかけ、当該選手と攻撃側ベンチに注意を与え、すぐに止めさせる。」

つまり、2塁ランナーからのサイン伝達は明確に禁止されています。  
フェアプレイの精神に則り、高校野球は“教育の一環”である――これはもっともな建前論です。

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しかし、野球という競技は、戦術・戦略・駆け引きが勝敗を左右するスポーツ。  
相手の手の内を読み解くことも重要な要素です。

その延長線上に、サイン伝達という行為があるのだと思います。  
ルールに抵触したのは事実ですが、花巻東の行為は、むしろ“素直すぎた”のではないでしょうか。

「盗み」という表現には、どうしても悪意を感じてしまいます。

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本当に、他のチームは一切そんなことをしていないのでしょうか?

制限速度40キロの道を、花巻東だけが60キロで走って違反し、  
他のチームは皆40キロ以下で走っている――そんな単純な話でしょうか?

40キロの道を40キロ以下で走る難しさは、運転する人なら誰でも知っているはずです。

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また一方で、夏の甲子園が“教育の一環”であるならば、  
スタンドでの生ビール販売はどうなのでしょう?

地方予選では見かけませんが、甲子園では普通に売られています。  
初めて見たときは驚きました。

グラウンドでは炎天下の中で高校球児が全力プレー、  
スタンドではおじさんたちが生ビール片手に宴会――  
どう見ても、これは“興行”です。教育を前面に出すには、少々無理があるように思えます。

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現実を見ずに建前論だけを信じていると、社会に出てから困るのは本人です。

最近では、そんな学生が社会に出てきていて、職場で育てるのに手間がかかることも。  
いわゆる“ゆとり世代”ってやつです。

たとえば――

ゆとり世代「部長!ウチの提示価格がライバル社に漏れているようで、どうしましょうか?」

部長「それは遺憾だ。担当者からライバル社に注意してもらおう。」

……実社会でそんな対応、通用するわけがないでしょう!

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勝つためには、相手の裏をかいたり、ガセネタを掴ませたり、掴んだり――よくあることです。

素のフェアプレイだけで勝てるなら、誰も苦労しません。  
アンフェアなことをフェアに見せつつ、したたかにやれる者が勝つ。  
素のフェア精神で負けるより、考え抜いてアンフェアでも勝つ方が“正しい”とされる現実。

それを知っているのが、世間の大人たちのはずです。

教育というなら、こうした“処世術”も教えるべきではないでしょうか?

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「勝つことがそんなに大切か?」と問われれば――

そりゃ、大切ですよ。

全国優勝と準優勝、甲子園出場と予選敗退、  
満足感、達成感、そして人生のアドバンテージ――その差は歴然です。

有力校の監督は、勝てなければ更迭、失職もあり得る。  
みんな、それでも勝ちたいんです。

本日は以上です。ではまたです。