さて、本日の表題の件ですが、近年の秋田県代表校を振り返ると、夏の甲子園に出場したチームの多くが「左腕エース」を擁していたことに気づきます。
昨夏の能代商業、その前の本荘高校、明桜高校、金足農業と、かなりの割合でサウスポーがエースを務めてきました。
右利きが多数派の社会において、左利きというだけで特異性があり、広い意味では「変則型」として打者にとっても対戦しづらい存在なのかもしれません。一方で、打者に目を向けると、左打者は走塁面での優位性や、右投手との相性の良さから、右投げ左打ちの選手が多くなっている傾向も見られます。
さて、今年の秋田大会ではどうでしょうか。左腕をエースとするチームとしては、明桜高校や秋田工業が挙げられますが、その他の有力校は右腕エース、あるいは左右の２枚看板で臨むチームが多いようです。
ここ数年の傾向からすれば、左腕エースが代表校になる可能性もありますが、今年はどうなるでしょうか。
裏を返せば、「左投手」というだけで苦手意識を持ってしまう打線が多いという現実も見えてきます。秋田県内で対戦する左腕投手の中で、全国レベルやドラフト候補に挙がるような選手は決して多くはありません。
それにもかかわらず、東北大会や全国大会での秋田県代表の打線は、深刻なほどの低調さが続いています。選手たちの基本的な運動能力が劣っているわけではないはずですが、なぜか打てない。金属バット全盛のパワー野球においては、中学時代に硬式野球を経験しているかどうかが、やはり大きな差になるのかもしれません。
平成以降の秋田県勢の連敗を見ていると、高校入学以前の軟式野球主体の環境差が影響しているのではないかと、常々感じています。打ち合いで対抗できないのであれば、やはり投手力と守備を軸に、粘り強く、しぶとく勝ち上がるしかないのかもしれません。
いずれにしても、今年の秋田県大会も、全国レベルの強力打線を擁するチームは見当たりません。となれば、やはりピッチャーがすべての鍵を握る大会になるでしょう。
左投手を打ち崩すには、右の好打者が揃ったチームが有利になります。今夏の左腕エースたちが、どのような投球を見せてくれるのか、注目しています。
それでは今日はこのへんで。ではまたです。
